京都・田歌舎訪問記②Diary

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当店で扱うジビエ(野生動物の肉)の仕入れ先、京都府南丹市美山町の田歌舎へ、猪狩りと鹿狩りの研修へ行ってきました。

今回で2回目の訪問となりますが、そもそも何故野生動物を捕獲して、ジビエとして提供しているのかについて触れたいと思います。

昨今、全国の里山に暮らす野生動物が増え始め、餌にする野草や木の実がどんどん減り、餌が無くなった動物は人里に下りて畑の農作物を食べ荒らします。その被害額は年間で200億円(北海道を除く)になります。

一方で、里山では若者が減り、昔からの猟師さんは高齢化が進み、引退する方が増えています。人間と野生動物が共生するためには、自然の実り豊かな里山を取り戻すことが一番ですが、獣害による農作物被害は深刻になる一方です。

まずは野生動物を人間と共生できる数まで減らし、農作物の被害を減らさなければ農村の人々の生活は成り立ちません。若者が都会へ出てしまうのも、農村では生活が成り立たないという危機感も理由のひとつです。

動物が増える→若者は減る→駆除できない→農作物が被害を受ける→益々動物が増え、若者が減るという負のスパイラルが生まれます。

「駆除した野生動物をお金に換えることが出来れば、田舎で農業や猟師をやろうという若者が増えるのではないか」田歌舎代表・藤原誉さんはそう考え、数年前から保健所の許可を取り、捕獲した動物の解体所を作り、鹿や猪を肉として流通させています。

我々飲食店にできることは、その様な思いから捕獲されたジビエを心をこめて調理し、お客様にご提供しお金を頂き、猟師さんに還元することだと思います。

この問題は、様々な立場で見方が別れるため、我々の活動が皆に取って良い活動になるとは限りませんが、少しでもこの問題を知って頂ければと思います。
訪問記201705

① 今年もやってきました。東京駅から約5時間、京都府南丹市美山町の田歌舎(たうたしゃ)です。

② 料理長湯之上と付き人?ノブオ君。

③ 2月下旬ですが、ここ数日の陽気でだいぶ雪解けが進んだとのこと。

④ 仕込み中の鹿肉の生ハム。和心でも名物メニューです。

⑤ レストランに飾られるクマワシ(だったかな?)

⑥ 早速鹿の生ハムを振舞ってもらいました。

⑦ 鹿のシンタマを捌く藤原さん。プリップリの部位です。

⑧ こちらは藤原さんお手製の「富山・氷見の寒鰤の蕪寿司」旨い!

⑨ 猪の肉を使ったぼたん鍋。鍋の野菜はもちろん全て田歌舎で作られたもの。壬生菜等、とても力強い味わいでした。

⑩ そして翌朝、まずは田歌舎のビニールハウスで育つ葉野菜を見学。昨日の壬生菜を始め、農薬不使用の逞しい野菜が揃ってます。

⑪ 田歌舎のヤギと戯れるノブオ君。この後の猪狩りの山登りの最中、川に背中から落ちることをまだ知らない、無邪気な頃のノブオ君。

⑫ さぁ出発!防寒体制もバッチリ!

⑬ まずは血抜きを終えた鹿の回収から。

⑭ 本日入る山を下見する藤原さん。

⑮ もちろん道などありません。自ら切り開きます。しかしこれはなかなか急勾配ですね。。。

⑯ えっ!?マジでここ登んの!?な表情のノブオ君。正解!ここを登ります!

⑰  通信手段を装着して、3班に別れて山に入ります。

⑱ 足跡発見!これを追跡して、猪の寝屋を見つけたい所ですが、所々雪が溶けてしまし、足跡も途中で途切れてしまします。。。

⑲ これはかなり急斜面です!滑るので危険です!

⑳ 山に慣れている藤原さんはどんどん進みます。これでもいつもの半分のスピードとのこと。待ってくれ~~~ 

21 やはり足跡が途切れてますが、猟師歴15年の経験と勘を頼りに猪を追います。

22 雪深い所では膝上までズボッと入ります。 

23 おっと!料理長、雪山でまさかのタンクトップ1枚姿に!確かにこの日は暑かった。。。

24 渾身の力を振り絞ってピース!しかし表情に力が無い。。。慣れないアップダウンに疲れてます。

25 結局、猪の寝屋を見つける事はできませんでした。下山しますが、無事下まで辿りつるかが不安。。。

26 何度も何度も滑り、何とか下山出来ました。

27 昼休憩を挟み、午後は犬を使った鹿のまき狩りへ。

28 猪狩りで背中から川に落ちたというノブオ君。すっかり気力が無くなり。。。出発するぞ~!h3>

29 ハナとマルの2匹を山に放ちます。山から鹿を追い出した所を鉄砲で狙います。今回は二手に分かれました。

30 待ち構える藤原さん。

31 ハナが鹿を追い出しました!

32 先回りして待ち伏せします。

33 至近距離から狙いを定め・・・

34 仕留めたか!?

35 見事に首上にヒット!引き上げます。

36 川の中を引いて行きます。

37 ハナを労う藤原さん。

38 この日は1頭仕留めて終わる予定でしたが、マルが戻って来ず山へ入って鹿を追いかけ始めたので、再び銃を持って待ちます。

39 山から鹿を追い出しました!

40 並走して追いかけます!

41 仕留めた鹿が川を流れ始めたため、引き上げに行きます。

42 無事追いつき、引き上げました。弾の当たり所を確認します。肉を商品として出荷するためには、首より上に当てて、体には傷を付けないことが大事です。

43 田歌舎代表・藤原誉さん。自ら猟のの現場に立ちながら、若手に狩猟のポイントを伝えて行きます。

44 「狩りガール」の舞ちゃん。昨年狩猟免許を取得した新米猟師です。

45 田歌舎の皆さんと記念撮影♪